スポーツには結果がつきもの。
選手はもちろん、指導者にだって勝ちたい、勝たせたいという想いが強くなるのも当然のことです。
しかし、ただ勝てばいいというわけにはいきません。
どういう過程でその結果に導くのか。
そこに着目する必要があると私は思っています。
その過程において、主に分かれるのがこの2パターン。
一つは、指導者の指示命令によって、ひたすら監督の言うことに従わせ、監督のプラン通りにやって結果を出すパターン。
そしてもう一つは、選手が自ら考え判断し行動する。その判断したことや決断したことに選手自身が責任を持ち、選手の主体性や成長を促しながら結果に導くパターン。
早く結果を出すことを考えると、監督が指示命令したり「こうだよ、あーだよ」と教えたほうが間違いなく早いと思います。
そして選手たちも、自分で考えて行動するよりも、人から言われたことに対して行動したほうが楽だと思います。
しかし、指導者には育成責任があります。
選手には自分の人生があり、スポーツもその人生の一部で、そしてスポーツを終えた後も長い人生が待っています。
その社会に出て生き抜く力は、後者のパターンによって備わっていくものだと私は思っています。
スポーツができる人を育てるのではなく、スポーツを通じて人を育てる。
この、スポーツを通じた人材育成を行うことこそ、指導者に求められる責任と言えるのではないでしょうか。
色んな指導者さんとのお話で、「勝たせたい」と「成長させたい」でいつも葛藤をしているということをよく聞きます。
そんな時、指導者さんが心がけていることは、「我慢」であったり、「選手を信じ切ること」だそうです。
そんな葛藤をしているということは、指導者自身も日々成長している表れです。私の周りには、そのような心から尊敬できる指導者さんが沢山います。
結果を意識しつつ、選手たちがスポーツを終えた後も社会に出て活躍し続けられるような人を育てるために、私も指導者さんと共に成長できればと思っています。