「集合に遅れたから連帯責任を取らせる」
先日、ある中学の体育指導で起きたというこのニュースを目にしました。
記事によると、体育の指導で、遅刻した生徒がいたため大声で叱責し、連帯責任を取らせる指導を繰り返していた。これらの指導に対する恐怖心から、生徒が一時学校に行けなくなったとのことでした。
この記事に書いてある事実は、
・大声で叱責した
・連択責任を取らせる指導をしていた
・登校できない生徒が出た
ということです。
この事実に関して、コミュニケーションの観点でお話しすると、まず指導者の態度、振る舞い、言葉などの影響力は非常に大きく、生徒たちが受けたその影響は、生徒たちのこれからの人生にずっと付いてくるということです。
例えば、今回のようなネガティブな影響を受けた場合、人を信じることができなくなったり、積極的に行動できなくなってしまったり、言いたいことが伝えられなくなってしまったり、心を閉ざしてしまったり。様々な可能性だってその影響で潰されてしまうかもしれません。
先生からすれば、その生徒との関わりは長くて3年かもしれませんが、この先生から指導された生徒たちは、その受けた影響が感情とセットでくっついてくるもので、大人になっても苦しめられたり、もしかすると、この先ずっとこの先生が夢に出てくるかもしれませんね。
指導とは、それほどの影響力を持っています。
更には、連帯責任を取る指導というのは、もともと昭和の時代の軍人を鍛えるために行われてきたもので、今は明らかに時代は変化しています。
今の時代は、多様性の時代であり、一人ひとりの「個」を活かす時代です。
もし、秩序を保つことが目的というのであれば、今の時代に合った、他の効果的な方法はないだろうか。
一人ひとりの「自覚」を促す方法として、罰を与えたり恐怖感を与える指導ではなく、考えさせて気づかせるような関わり方のほうがよっぽど効果的ではないだろうか。
既に今の時代に合った指導法を学び、情報収集に熱心な指導者が多くいる中、未だ昭和の時代の指導や自分の経験だけに頼る指導を行っていては、ますます取り残されてしまいます。
実際、そのような指導の失敗や不祥事を経験して変わった指導者が沢山いるのも事実です。
その指導者たちは、
「あの時のことがあったので、これまでの自分の指導を見つめ直し、改めることができた。あれがきっかけで色々と学ぶことができた」
と話しています。
その指導者たちが学んできたこと。
それが、「コーチング」「コミュニケーション」です。
今こそ、今の時代に合った指導法として、コーチングやコミュニケーションの知識や情報を取り入れるチャンスですね。