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2020.11.13 スポーツ指導者との対談

サッカー指導者との対談

今回は、先日対談したサッカーの指導者のお話です。

学生時代、強豪校でサッカーに励んでいたのに、だんだん嫌になってきて、高校卒業してサッカーを辞めてしまったという田原さんの話に私は反応してしまいました。

当時の指導者は、輝かしい経歴の持ち主で、スキルやテクニックは凄いものがあるのに、評価することも褒めることも稀で少なく、できる選手とできない選手を比較したり、田原さんは時に心ない言葉を受けながらプレーしていたようです。

部員も数百人、何もかもが厳しく、他校が羨ましくなるほどで、徐々にサッカーをやることが楽しくなくなってきたのだと。
それはレギュラーになれないだけではなく、指導者の「コミュニケーション力」が要因の一つになったと。
選手が育たないのは選手に問題があると捉え、自身のコミュニケーションにフォーカスがいかなかった指導者を見て育ち、だからこそ田原さんは、コミュニケーションの重要性を感じているのです。

一度はサッカーから離れた田原さんですが、またサッカーに関わるようになり、現在はジュニアチームの指導を行っています。

そしてこんな話もしてくれました。

「サッカーこそ意思疎通の世界ですよ。サッカーの指導者は、やはりスキルやテクニックは凄いものがある。けど指導者はそれらを選手が理解できるように届ける術を持っていないように思う。指導者にコミュニケーション能力が加われば日本サッカー界は進む。」

なぜそう思うのか、聞いてみたところ、
「サッカーの世界も、まだやらされ感はありますよ」と。

一体どういうことなのか?

「選手は指導者の指示通りに動かされている場面が未だに多い。いろんな年代の現場を見ていてもそれは感じます。もしそれで結果は出せたとしてもマニュアル化になっていては、そもそも楽しくないし、個々の高いパフォーマンスが発揮できない。ピッチでは常に状況が様変わりする。戦況において自ら考えて判断していかないと、他チームに行ったときに柔軟性がなくなるし対応できなくなる。」

確かに、プロサッカー選手でも能力がありながらピッチに立てず、プレーできる場を求めて移籍するケースはよくありますよね。

サッカーの指導でコミュニケーションの重要性を感じた田原さんが、現在の指導で大切にしていることについて聞いてみました。

「指導者の言語能力や語彙力は重要。そして一体感を高めるため、選手のモチベーションを上げるために、選手と対話すること。ベンチから外れている選手への声かけはとくに重要だと思っています。」

最後に、こんな事例を教えてくれました。

「海外のクラブチームで優勝させた指導者が言った言葉で、『世界1位になった時、ベンチやベンチ外の選手のほうがモチベーションが高かった。』という話が面白かった。そのヒントが、日常のコミュニケーションで、ベンチやベンチ外の選手たちとよく話すようにしているのだと。それが監督の信用・信頼に繋がり、監督との関係性が高まる。そして高いモチベーションでベンチに入れるようにも頑張る。ベンチやベンチ外のモチベーションが高いと、レギュラー選手のモチベーションもなお高まる。これが一体感なのだと。」

貴重なお話しをありがとうございました。

同じサッカーでも、指導者によって指導のスタイルは変わると思いますが、やはり競技種目によって指導の傾向に特徴が表れるのでしょうか?
色んな競技の指導者の話を聞いてみたいですね!