スポーツ指導者にとって、「コーチのコーチ」と言われると、
「自分にコーチは必要ない!」
と思われている方がほとんどかと思いますし、またもしかしたら
「自分が指導されるなんて、ふざけるな!」
と気分を悪くしている方もいるかもしれませんね。
これこそ、コミュニケーションのズレ。
お互いのイメージの違いがあり、最初からズレが発生している状態です。
なぜズレているのかというと、
スポーツでいうコーチとは、「技術指導をする人」
しかし、ビジネスで言うコーチは、「目標やゴールの達成を支援する人」
というように、そもそも捉え方が違うからです。
なので、私はスポーツ指導者に向けてコーチングの話をするときは、一番初めにこの違いを説明し、ズレを解消することからやっています。
ちなみに、私は技術指導を一切していないので、上記で言えば後者のほうです。
ビジネスで言っているほうのコーチとして、スポーツ指導者をサポートしています。
コーチのコーチ。
つまり、スポーツ指導者が自分にコーチを付けること。
それってどういうことか?
日々忙しい指導者にとって、あれもこれもやることばかりで自分に余裕がなくなったり、目の前の試合や結果を出すことに集中すればするほど視野が狭くなっていきます。
しかし、そうなっていること自体に指導者自身が気づけません。
これは指導者に限らず、鏡で自分の姿を見ないと自分の寝ぐせに気づけないのと同じで、自分のことは自分が一番わからないからです。
そこで、客観者として情報を提供したり、視点を提供したり、視野を広げるサポートをするのがコーチのコーチとしての役割の一つです。
これによって指導者が得られる効果としては、
見失っていたものに気づいたり、見えていないところが見えるようになってきたり、
視野が狭くなるがゆえに鈍くなってしまう判断や決断の部分においても改善されたり、
指導者自身の心身の状態が整ったり、一人で抱えていたストレスやプレッシャーが軽減される、、、
このようなものが挙げられます。
自分にコーチを付けているイメージを、簡単にわかりやすく説明するならば、、、
例えば、スポーツチームで指導をしているあなたにとって、
・自分の目がもう2つあったらどうですか?
・自分に脳みそがもう一つあったらどうですか?
それが「ある」といった状態、、、
ざっくりいうとこのようなイメージでしょうか。
選手やチームが輝きを増すよう、指導者をバックアップするお仕事。
完全裏方として、舞台袖から見守り、見届けるようなお仕事。
それがコーチのコーチです。
自分にコーチを付けている海外の経営者のように、日本でも、そしてスポーツ指導者にも自分にコーチを付けるという概念が浸透していくと嬉しいです。